UltraCAT > Cycling > Touring> 金田峠

金田峠を越える

金田峠からの眺望

PHOTO:金田峠よ り刈込湖奥白根

007年5月28日 快晴
光徳6:10 - 山 王峠6:48~55 - 湯川橋7:25~35 - 金田峠10:06~11:30 - 刈込湖12:45~50 - 小峠13:23~35 - 光徳14:10

  金田峠は鬼怒川の奥、川俣より奥日光の刈込湖を経て湯元に至る標高1873mの峠です。川俣側にはかって西沢金山という大きな金山があり数千人に及ぶ住民 と数々の公共施設もあり大変栄えていたということです。金山の産業道路としてもこの金田峠道は重要な道路だったでしょう。しかし昭和初期に金山の衰えと共 に金田峠道も長く深い眠りについたように忘れ去られていったようです。また自転車で越えたという記録は僕は聞いたことがないのですが、高薙山(この山も篤 志家向きで近づきがたい山だ)登山のバリエーションルートとして情報が得られたのをきっかけに、奥日光の山々から雪が消える頃を見計らって峠路を辿ること にしました。今回のメンバーは山岳サイクリング研究会の精鋭二人とお荷物おぢさんの私の3人と相成りました。K氏は西上州の開拓者であり廃道旧道のプロと言っていいし、H氏は山サイ研代表世話人にして藪山ルートファインディングの鬼。計画自体は私の立案でしたが、このお二方をパートナーに得たとなれば後は二人のお尻を眺めながら黙々とついて行けばいいという魂胆です。 私が金田峠の存在を知ったのは何十年も前のことです。当時の国土地理院の地図には峠名が載っていたように思います。実際、サイクルハイキングで切込湖刈込湖周辺を走った若かりし頃径の探索をしたような記憶もあります。しかし、「廃道」と決めつけてました。遠い昔「辻まこと」が難儀したなどという記録もあるようで、また、その標高、地形図からも分かる険しさから自転車の近づける世界では無いと長い間思いこんでました。 早朝の光徳駐車場からの旅立ちです。天気には恵まれました。体に染みいるような新緑のなかを山王峠まで車道のサイクリングです。峠を越えれば奥鬼怒から会津の山々が連なっているのを遠望しながらの下り道。西沢金山跡の湯川橋まで一気に下りました。 湯川橋からちょっと戻ったところにそれと分かる道型ありいよいよ峠道に踏み込みました。尾根にはい上がると薄い踏み跡があり、それを辿るとまもなく作業道の工事現場に出会いさらに進めば小さな沢状の中、かっての金山跡の住居跡になります。歴史を感じます。やがて峠道は山腹をゆるゆると巻くようになり、状態の良いところでは乗車さえできるようになります。まさに奇跡的に残存したといえる道です。快晴、さわやかな空気の中気分は最高です。目指す峠方面もよく見通すことができ、藪漕ぎやルーファンで苦労する事もここまではなく、お気楽ツーリングモードといっても差し支えないほどです。 まぁ、最後の方で沢を渡ると踏み跡が乱れやや厳しいところもありましたが、私はといえば踏み跡探しに精を出すお二方には申し訳ありませんが、その間ご休憩中です。やがて「こっちですよ笹藪ぉ〜〜!!」の呼び声に「よっこらしょ」と尻上げる有様です。 いよいよ峠が近づいて来ました。背丈を超える笹の藪が待ってました。ガサガサッと音を手ながら愛車を盾に前進あるのみです。いきなり話は変わりますが、今日の面々の自転車の説明。私は26x1.5のライジンパスハンター、K氏はライジンクロス(軽量だぁ)、H氏はアラヤのフルリジットMTBです。いづれにしろサスペンション不要のサイクリングルートですねん。笹藪を潜り抜けると稜線の鞍部に達しました。金田峠です。感激というと大げさですが、少なくとも感慨はありました。眼下には刈込湖の青い湖面が美しく残雪の奥白根が意外と近く見えます。はっきり言って絶景です。見たもんにしか分かりません。見たい人は行ってね。自転車持って行か記念写真ないと感慨は半分ですけど。 金田峠も笹藪に埋もれています。南側は日光の山特有の薙地形ですっぱりと切れ落ちています。灌木が無ければ股間が縮み上がりそうなところです。記念写真を撮り昼食に適した場所に移動しようということで笹の稜線を西に進みます。金田峠道もまた古い地図によると峠の地点からやや西に進んでから刈込湖に向けて下降していくように記されてます。10分ほど進むときれいな旧道らしい道型が左に分岐します。目印のテープが付いてました。ここでランチタイムです。稜線を吹き抜ける風が笹の葉を撫でる音がストーブの音に消されます。 350ccの缶ビール1本を3人で分けました。乾杯!この先の行程を考えてアルコールはこれだけ。昼食後ここからさらに西にある宗教遺跡に行ってみました。中世以前の日光修験補陀洛夏峰の深山宿の遺構と思われます。小さな傾いた祠の周辺は整地されたような平地です。 刈込湖への分岐に戻り下降開始です。良好な道と思われた旧道は数回ジグザグを繰り返した後倒木と笹藪の湖畔中に消滅しました。決意を固めて笹藪に飛び込みます。地形図を検討してやや進路を左気味に取り小さな沢にたどり着きました。穏やかな

小沢は歩きやすくわずかな時間で我々を刈込湖畔へと導いてくれました。安堵の時でした。湖畔の砂浜を愛車と共に歩きながら振り返れば澄んだ空気を通して金田峠の鞍部がはっきりと分かります。同行してくれた二人の仲間に深い感謝と尊敬の念がこみ上げてきました。 後はハイキングコースを小峠を経て湯元へと下るのみです。 天候と仲間に恵まれすんなりと峠越えができました。一般的なサイクリングコースとは確かに言い難いですが、本当に久しぶりに旧道探索の醍醐味にあふれた峠越えの旅となりました。


Copy Right UltraCAT.org  All rights reserved MailTo:forest@ultracat.org